赤ちゃんのQ&A
赤ちゃんのQ&A
A. 新生児期には目やに(眼脂)が大変よくみられます。多くは「鼻涙管」という管の狭窄によって涙の流れが悪くなり溜まったものですから、結膜の充血やまぶたの腫れなどが無ければ拭き取って経過を見るだけで十分です。(だいたい2か月ぐらいには治ってきます。)ただし、膿のような目やにだったり結膜の充血が目立つ場合は眼科を受診した方が良いでしょう。
A. 乳児の湿疹は、アンドロゲンというホルモンが一過性に増えることによって皮脂が過剰に産生されることが原因と言われています。生後2~8週ごろから発症し、顔などに紅斑が出現してしだいに黄色い鱗屑や痂疲になります。生後3か月ごろから脂腺の退縮が始まるので、ほとんどの場合は入浴時のスキンケアや入浴後の保湿剤外用(ワセリンなど)で自然に軽快します。スキンケアの方法としては、鱗屑や痂疲はよく泡立てた石鹸で毎日やさしく洗い流します。石鹸が残ると良くないので、濡らしたガーゼなどで石鹸成分をぬぐい取ることが大切です。
A. 生後すぐの赤ちゃんは鼻腔がせまくて副鼻腔も未発達であるため、“フガフガ”しているように聞こえることはよくあります。鼻水が多く出ているなどがなければ、風邪をひいているわけではありません。母乳やミルクをよく飲んでいて元気であれば心配いりません。
A. 乳児期は胃がしっかり固定されていないため、授乳後に仰向けや抱っこの姿勢でいるとミルクが胃の上の方にたまって吐いてしまうことがあります。そのような場合はうつ伏せにしたり右下に寝かせると嘔吐が減少します。
基本的に体重増加が良好で機嫌が悪くなければ特に心配ありませんが、体重があまり増えなかったり元気がない場合、黄色い嘔吐をする場合は小児科を受診してください。
A. 新生児は生理的に生後4~5日目に血液中の「ビリルビン」という物質が上昇するため、黄疸が出やすくなります。その後は通常生後7日目以降、14日目ごろまでに「ビリルビン」が低下していきます。生後1週間をこえて黄疸が続く場合を「遷延性黄疸」と呼びますが、ほとんどは母乳による黄疸であるため治療の必要はありません。
ただし、まれに治療が必要な黄疸の場合もあるので、心配な場合は(生後1か月までの間は)当院にご連絡ください。生後1か月を過ぎた赤ちゃんや、黄疸の他に赤ちゃんの元気が無い、尿の色が茶色っぽい、便の色が白っぽいなどの症状がある場合は小児科を受診してください。
A. 通常はご家庭で消毒したり拭き取っていればそのうち乾いてきますが、おへその奥に赤いしこり(臍肉芽腫)がある場合は治療が必要なこともあるので、小児科か皮膚科を受診してください。
A. 新生児は皮膚がうすく角質の水分量や皮脂の量が少ないため、便による刺激で接触性皮膚炎をおこしやすくなっています。予防としては、便が出たら早めにおむつを交換してあげるのが一番ですが、かぶれがひどいときはおしり拭きを使わずにお湯で洗ってあげるのが効果的です。それでもあまり良くならないようなら塗り薬が必要になる場合もありますので、小児科・皮膚科などを受診してください。
A. 2~3日に1回ぐらいの排便でも、おなかがパンパンに張っているなどの症状が無く、母乳やミルクを飲んでいて元気であれば心配ありません。綿棒などで肛門を刺激したり、おなかを軽くマッサージしてあげましょう。
もし、おなかがパンパンに張っていたり、母乳やミルクの飲みが悪い・何となく元気が無い・何回も嘔吐するなどの症状がある場合は小児科を受診してください。
A. 最も多いのは裂肛(切れ痔)による出血で、便の表面に血が線状に付着しているような場合はだいたい裂肛による出血です。排便時にいきんだり強く泣いたりした際に切り傷ができることが原因です。
赤ちゃんの機嫌がよく、母乳やミルクをよく飲んでいれば通常は心配いりません。
血液が便全体に混ざっていたり、イチゴゼリーのような粘血便が出ていたり、赤ちゃんの元気が無いなどの症状がある場合はすぐに小児科を受診してください。
A. 無理に包皮をめくると炎症を起こす恐れがあるのでやめましょう。ほとんどは自然に治ります。
A.退院してから1か月健診までのあいだ、赤ちゃんは1日平均30gの体重増加があります。ご自宅で赤ちゃんの体重が測れないとちゃんと体重が増えているのかどうか気になると思いますが、赤ちゃんが母乳やミルクを十分に飲めているかどうかは以下のようなことが指標になります。
(1)肌に張りがあって元気がある。
(2)1日に5~6回以上の排尿がある。
(3)1日に8回以上の授乳をしている。
もし母乳やミルクが足りていないと思われる場合はミルクを追加してください。明らかに飲みが悪い、体重が増えていなさそうだという場合は、助産師にご相談下さい。
A.母乳栄養と人工栄養の違い、栄養評価の方法は以下のようになっています。
1. 母乳栄養
(母乳の成分)分娩後数日間分泌される母乳(初乳)は電解質とタンパク質に富み、糖質や脂肪が少ないという特徴があります。母乳の総エネルギーの40~50%が脂肪で構成されており、必須脂肪酸も多く含まれています。
(早期授乳)新生児は、生後30分頃には吸啜運動を始めます。生後早期(30分以内)の母児接触(30分間以上)と授乳が重要と言われています。
(授乳の間隔)授乳間隔や回数を規定しなかった場合、1日授乳回数は8~16回、1回の授乳時間は7~30分とばらつきがあります。
2. 人工栄養
(成分)調製粉乳は牛乳を主原料として製造されており、ホエータンパクや必須アミノ酸・必須脂肪酸などが強化されて母乳に近い組成になっています。
(授乳計画)母乳と同様に自律授乳がよいとされていますが、母乳栄養と同様に3~4時間ごとに授乳することが可能です。
3. 栄養評価の方法
体重増加不良・尿回数減少・授乳時間の延長・授乳間隔の短縮・不機嫌・発熱などがある場合は母乳不足の可能性があります。授乳時間が毎回30分以上に及び、授乳後1時間以内にミルクを欲した啼泣が見られる場合は母乳不足を疑い、体重チェックをしたほうがよいでしょう。
出生後2~4日で生理的な体重減少(出生体重の約7~10%)がみとめられますが、生後7~12日で出生時の体重に復帰し、その後は1日あたり30~60gの体重増加があります。
A.血液型の判定には赤血球の表面にある抗原と血清の中にある抗体を調べる必要がありますが、抗体が産生されるのは生後3~6か月ごろからです。また、抗原の強さも最初は弱いため、あまり早い時期に調べると誤った判定が出る可能性があります。正確に判定するためには、早くても4~5歳以降が望ましいとされています。