Q.月経痛(生理痛)が強くて、市販の痛み止めでは効きません。

2021.03.22

A.毎月の月経に伴って現れるいろいろな身体の不調(下腹部痛・腰痛・頭痛・便秘や下痢・憂うつやイライラなど)を月経困難症と呼びます。月経困難症の原因は、機能的な原因(プロスタグランジンという物質による子宮の過収縮によるもの)と器質的な原因(子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症・子宮奇形などによるもの)の2つに大別されます。

機能的な原因の場合には、鎮痛剤の第一選択は非ステロイド系の消炎鎮痛薬(NSAIDs)で、これによってプロスタグランジンの産生を抑制することができます。ただし、この薬だけでは鎮痛が不十分な場合もあり、その場合は「LEP製剤」と呼ばれる治療用の低用量ピルを定期的に内服することによって子宮内膜の肥厚を抑制し、月経痛をより緩和することが期待できます(この薬は月経中だけではなく、月経周期に合わせて3週間程度定期的に内服する必要があります)。また、当帰芍薬散などの漢方薬も月経痛の緩和に有効です。 器質的な原因の場合も薬物による治療は同様ですが、場合によっては手術が必要になる場合もあります(子宮内膜症にともなう卵巣嚢腫の切除など)。